Incubation Room 培養室のご案内
卵の成長を見てみよう
未熟卵
まだ精子の受け入れ態勢ができておらず、この状態では受精しません。培養して成熟卵になるまで待つ必要があります。未熟度合いが強いものは成熟しないこともあります。
成熟卵(採卵当日)
極体という小さな細胞が放出されたら卵子が成熟した印です。受精の準備が整ったことを示します。このタイミングで卵子と精子を出合わせる作業を行います。
第二極体放出
精子が卵子の中に入り反応が進むと、2つ目の極体が放出されます。精子と卵子を合わせたあとも極体が1つのままの場合、卵子は受精していないと考えられます。
受精(採卵翌日)
細胞の中に卵子由来と精子由来の核が1つずつ、合計2個見えれば正常受精となります。核の数が1個の場合や3個以上の場合、染色体数が正常ではない可能性が高く、培養中止となります。
前核消失(1細胞)
受精卵が分割する前に核が消えます。受精する前の卵子とよく似ていますが、受精前は極体の数が1個、受精後は2個になります。
1-2細胞
基本的に1つの細胞は分割することで2つの細胞に分かれます。(中には例外的な動きをするものもあります)
2細胞
受精してからおおよそ1日ちょっとで最初の分割が起こります。分割の大きさにむらがあったり、小さな細胞のかけらが分割時に出現してくることもあります。
4細胞(採卵2日目)
2個の細胞がそれぞれ分割して4細胞になりますが、全く同時に分割するわけではないので3細胞の瞬間もあります。当院ではこの時期を移植や凍結の一つの目安としています。
8細胞(採卵3日目)
さらに分割が進み、細胞の数が増えていきます。
桑実胚(採卵4日目)
細胞数が十数個ほどに増えてくると、細胞同士が融合を始め、ひとかたまりのボールのようになっていきます。これが桑の実に似ていることから桑実胚と呼ばれます。
胚盤胞(採卵5日目~)
さらに細胞の数が増えると内部にすき間ができてきます。外側に集まった細胞は胎盤の一部に、内側の細胞の塊は赤ちゃんの素になる部分です。
拡張胚盤胞
この頃になると細胞の数は数百個にもなります。どんどんと内側から大きくなり、透明帯という卵の殻はそれにつれて押し広げられ薄くなっていきます。
孵化胚盤胞
透明帯が耐え切れないところまで胚盤胞が大きくなると、透明帯が破れて中身(胚)が外に出てきます。これを孵化と言います。完全に透明帯から脱出した状態で、子宮内膜に着床します。